短歌

2006年8月 1日 (火)

萎びたレモン

朝起きて 何か変だと 感じたら やつれた感じ 萎びたレモン 

黄色いレモンに黄色いキュウリ。
黄色いキュウリ萎びてくしゃり。
栄養満点萎びたレモン。

2006年7月29日 (土)

端から端へ

白い雲 遠い山から 湧き出でる 言葉を紡ぐ 端から端へ 

水蒸気を吐き出す遠くの山は煙り、
湧き出でる言葉は正体を隠す。
あともう少しの鍛錬があれば。

2006年7月28日 (金)

森の中に

暑い夏 海岸沿いの 薄暗い 森の深奥 野生に帰る 

森の中に分け入る。
自分が今生きていることを実感する。
僕らの祖先は森の中で生活していたのだ。

2006年7月23日 (日)

暗い夜道

夏祭り 暗い夜道の 田舎道 感謝されると 照れくさくなる 

道を少し行くと明かりも見えない。
竹やぶが両側を覆っている。
夏の温度を感じながら歩く。

2006年7月20日 (木)

吐息をついて

この想い 言葉にしたら 消えそうで 本当のこと 見つからなくて 

真実なるものが見つからず、
美しいものに怯えている。
消え入りそうな吐息をついて。

2006年7月19日 (水)

揺れるブランコ

いつまでも 探し続けて 寂しげに 揺れるブランコ あの子がいない 

いなくなった女の子をずっと探し続けて、
いつも遊んでいたブランコにもいなくて、
がらんとした公園で寂しげに揺れている。

2006年7月18日 (火)

うさぎがぴょんと

爆弾を 野豚がそこに 置き忘れ うさぎがぴょんと 尻餅ついた 

人を傷つけるのはよくないことなのに、
今日も野豚が置き忘れた爆弾が爆発をする。
幸いにも僕はまだ爆弾に出会っていないが。

2006年7月17日 (月)

眠れない夜

暗闇で 星の巡りを 数えてる 眠れない夜 気づいたら朝 

寝付けないことがある。
眠るためのいろいろな方法を試しながら、
でも一日くらい眠れなくても大丈夫と思っている。

2006年7月16日 (日)

霧の向こうに

朝霧の 池に小舟を 浮かべると 霧の向こうに 笛の音がする 

森が開けて池がある。
どこかうつろな表情で
笛の音がする方へ目をやる。

2006年7月15日 (土)

川の流れが

忘れてた 川の流れが 車内まで こんな人とは 一緒になれない 

この川だと泳げるだろうか、と
暢気なことを考えていたのは昔。
水浸しの車内でそっと顔をうかがう。

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