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2006年7月

2006年7月29日 (土)

端から端へ

白い雲 遠い山から 湧き出でる 言葉を紡ぐ 端から端へ 

水蒸気を吐き出す遠くの山は煙り、
湧き出でる言葉は正体を隠す。
あともう少しの鍛錬があれば。

2006年7月28日 (金)

森の中に

暑い夏 海岸沿いの 薄暗い 森の深奥 野生に帰る 

森の中に分け入る。
自分が今生きていることを実感する。
僕らの祖先は森の中で生活していたのだ。

2006年7月23日 (日)

暗い夜道

夏祭り 暗い夜道の 田舎道 感謝されると 照れくさくなる 

道を少し行くと明かりも見えない。
竹やぶが両側を覆っている。
夏の温度を感じながら歩く。

2006年7月20日 (木)

吐息をついて

この想い 言葉にしたら 消えそうで 本当のこと 見つからなくて 

真実なるものが見つからず、
美しいものに怯えている。
消え入りそうな吐息をついて。

2006年7月19日 (水)

揺れるブランコ

いつまでも 探し続けて 寂しげに 揺れるブランコ あの子がいない 

いなくなった女の子をずっと探し続けて、
いつも遊んでいたブランコにもいなくて、
がらんとした公園で寂しげに揺れている。

2006年7月18日 (火)

うさぎがぴょんと

爆弾を 野豚がそこに 置き忘れ うさぎがぴょんと 尻餅ついた 

人を傷つけるのはよくないことなのに、
今日も野豚が置き忘れた爆弾が爆発をする。
幸いにも僕はまだ爆弾に出会っていないが。

2006年7月17日 (月)

眠れない夜

暗闇で 星の巡りを 数えてる 眠れない夜 気づいたら朝 

寝付けないことがある。
眠るためのいろいろな方法を試しながら、
でも一日くらい眠れなくても大丈夫と思っている。

2006年7月16日 (日)

霧の向こうに

朝霧の 池に小舟を 浮かべると 霧の向こうに 笛の音がする 

森が開けて池がある。
どこかうつろな表情で
笛の音がする方へ目をやる。

2006年7月15日 (土)

川の流れが

忘れてた 川の流れが 車内まで こんな人とは 一緒になれない 

この川だと泳げるだろうか、と
暢気なことを考えていたのは昔。
水浸しの車内でそっと顔をうかがう。

2006年7月13日 (木)

池のほとりに

今日だけは 私のために いてほしい 蓮の花咲く 池のほとりに 

日本の夏がやってきて、
池には蓮の花も咲いている。
一年に一度あなたに会える。

2006年7月10日 (月)

突然の噴火

控えめな いつもと同じ 顔つきの どこに怒りが 隠れてたのか 

気づかなかった、とみなが言う。
よく突然の噴火にたとえられる。
いつもはとても優しい人なのにと。

2006年7月 7日 (金)

山裾の屋敷

疲れ果て 転がり込んだ 空き屋敷 蜘蛛の巣だらけ 跋扈する鼠 

夜通し歩き続けてたどり着いた村の
山裾の屋敷に転がり込んだ。
快適とは程遠いが夜露が防げる。

2006年7月 6日 (木)

京都の墳墓

人知れず 京都の墳墓 雨模様 幾世紀もの 木々に覆われ 

なにか丘があると思えばそれが京都では、
とある天皇陵のひとつだったりする。
裏山がお墓の世界。ちょっとときめく。

2006年7月 5日 (水)

サイトを閉鎖

たくさんの ファンの声援 惜しむ声 今月限り サイトを閉鎖 

人気サイトが次々と閉鎖や休止に追い込まれる。
惜しまれながらサイトを閉鎖できるのも良いな。
このブログはまだ続くと思うけどね。

2006年7月 2日 (日)

静かの海に

怪獣が 静かの海に 眠っている 生演奏に 身を包まれて 

月の精よ、お前はどうするのか。
獣が人に人が獣になろうとするのに、
眠っている怪獣が目覚めてしまったら。

2006年7月 1日 (土)

人恋しくて

七月の 雨がぱらつく 曇り空 人恋しくて 流れる涙 

号泣している顔を思い出して、
ああやって泣けていいな、と思った。
男にはできないよね。

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