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2006年4月

2006年4月30日 (日)

手を上げて

教室で 勇気を出して 手を上げて 自分のものと 宣言しよう 

クラスのみんなに聞こえるように大きな声で、
恥ずかしがらずはっきりと自己主張をすることは、
勇気が必要とされることだった。

2006年4月29日 (土)

夏がまたやってくる

青い空 またもう一度 夏が来る 小麦色した 君に会いたい 

いつもけたけたとやかましい君は、
冬も好きだけど夏がとびっきり好きという、
とても活動的な女の子だった。

2006年4月27日 (木)

薄ぼんやりと

日が暮れて 淡い輝き 夜手前 境界線が 薄ぼんやりと 

頭が重い。
少しの外出が億劫になる。
心の中までぼんやりしてくる。

2006年4月25日 (火)

六十二枚

草津から 新幹線に 乗るための 特別切符を 六十二枚 

一宮に停まるかな、とかとぼけたことを気にして、
六十二枚という枚数の多さを気に留めなかった。
新快速の間違いじゃないかという話もある。

2006年4月24日 (月)

風が告げてる

しんなりと 緩やかに描く 曲線美 静かな街で 風が語るの 

目の前で風が枝をしなやかに揺らす。
何かを告げているかのように、
意識ある存在が語りかけるように。

2006年4月20日 (木)

星がない

夜なのに 見上げた空に 星がない どこまで行けば 星が見えるか 

街が明るすぎるのだ。
星のよく見える場所を知っていたら、
ぜひ教えてほしい。

2006年4月18日 (火)

雨、降らないかな、、

青空を 恨めしく見る 今日だけは 雨が降るのを 期待していて 

たとえば夏の甲子園決勝戦を前にして、
ここまで連投中の中京大中京投手が心の隅で、
試合が順延されることを望んでもばちは当たるまい。

2006年4月16日 (日)

風に乗って

春風よ どうせ吹くなら 大陸の 向こう側まで 連れて行ってくれ 

そんな遠くまで連れて行かれたら、
歩いて帰ってくることも出来ずに、
どこかの山で野垂れ死にしてしまう。

2006年4月14日 (金)

十二回裏

慎重に 投球すれば 雨模様 十二回裏 ドラマが起きた 

最近の試合は延長戦に入ると、
投手陣が踏ん張ってゼロが並ぶ。
たまには十二回裏にドラマがほしい。

2006年4月13日 (木)

どうなることやら

味のある 字で書いてある 原稿の 受付葉書き あと半年か 

暇を見つけて書いていた小説を、
第30回すばる文学賞に応募した。
結果発表まであと約半年。

2006年4月10日 (月)

朝起きて

朝起きて 調子がいいか 悪いかと 自問する日々 夏まで続く 

病み上がりの体調はよいわけがないのだが、
夏ごろには全快しているかなと期待する。
それまであまり無理しないとこう。

2006年4月 9日 (日)

休ませてほしい

川岸に 桜が咲いた 日曜日 もういい加減 休ませてくれ 

毎日毎日ちまちまと仕事をこなす。
桜が咲いているというのに花見をする余裕もない。
たまには日曜日に休ませてほしい。

2006年4月 8日 (土)

楠木がある

背の高い 高層ビルの 裏手には くすんだ色の 楠木がある 

どんな謂れのあるのかは分からない。
しかしずっとこの街を見守ってきたのだ。
風雪に耐えた高木には存在感がある。

2006年4月 7日 (金)

まぶたが重く

日が暮れて 夕飯食べて 満腹で 眠たくなると まぶたが重く 

早寝早起きがいいと思う。
どうも最近からだが疲れやすい。
まぶたも重くなりやすい。

2006年4月 6日 (木)

そよいでいる

そよそよと そよいでいはる 稲さんに 流れゆかない 白雲さんや 

台風が通り過ぎた翌日、
さんさんと照らす太陽の下、
雲がぽっかり浮かび稲がそよ風にそよいでいる。

2006年4月 5日 (水)

不気味な影が

この地にも またかの地にも 訪れる 正体不明 不気味な影が 

正体さえ掴めてしまえれば、
何も恐れる必要はないのかもしれない。
想像を掻き立てる状況がこころ落ち着かなくさせる。

2006年4月 4日 (火)

うららかな

うららかな 春の目覚めと ともに起き 一瞬の生命 傾けんとす 

森にも川にも湖にも春がやってくる。
厳しい寒さに縮こまっていた生命が、
芽吹き育ち輝きを取り戻す。

2006年4月 3日 (月)

灯篭流し

あかあかと 光り輝き 流れ行き 雨が降る中 灯篭流し 

雨がしとしと降っている。
川の水が灯篭を運んでゆく。
祖先の霊を慰めるために。

2006年4月 2日 (日)

第二の人生

年老いて 街を離れて 南方の 島にひとりで 住むことになる 

これから第二の人生をどうしようかと、
打ち明ける人皆に驚かれたけれど、
すでに支度は整いました。

2006年4月 1日 (土)

宿命の渦

いつまでも 離れられない 境涯の 逃れられない 宿命の渦 

親殺しの罪人として村を追われ、
濡れ衣を晴らす手段も与えられず、
いつの間にか殺しを生業とするような。

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